【重要なお知らせ:事務所の閉業について】

誠に勝手ながら、この度、行政書士 白神英雄事務所 は、一身上の都合により、2023年6月をもって事業を終了することとなりました。

これまで長年にわたり、ご愛顧いただきました皆様方には深く感謝申し上げます。

この度の閉業に伴い、ご迷惑をお掛けすることとなり、心からお詫び申し上げます。今後とも何卒ご理解賜りますよう、お願い申し上げます。

敬具

白神英雄事務所

【建設業許可】これが法律といえるのか?日本国内で解釈や運用がばらばら!

建設業不動産業手続
この記事は約3分で読めます。

2007年11月20日に私が書いたものです。

内容的には今でも通じるものですので、このブログで再度投稿するものです。

 今から約7,8年前の平成12年4月1日付けで「地方分権の推進を図るための関係法律の整備等に関する法律」(平成11年法律第87号)が施行され、地方分権推進計画に沿って機関委任事務を廃止し、法定受託事務とされました。

 建設業の許可や宅建業の免許など多くの許認可に係る事務が都道府県の法定受託事務となりました。それらの事務やその考え方(解釈、運用)は、それぞれの法令の範囲内で都道府県の自主的な運用に委ねられることになりました。

私の事務所でも1年ほど前こんなことがありました。

 建設業許可の要件の一つである経営業務の管理責任者としての経験のとらえ方です。

 建設業法第7条(許可の基準)第1号イは、法人である場合においてはその役員のうち常勤であるものの1人が、(許可を受けようとする建設業に関し)5年以上経営業務の管理責任者としての経験を有する者であること、となっています。経営業務の管理責任者としての経験とは、建設業を行っていた会社の取締役(役員)、支店長、営業所長などの経験をいいます。

 まず、5年以上経営業務の管理責任者としての経験を有する人が、申請会社の常勤の役員でなければならないということです。これは当然ということで問題ではないのです。

 何が問題だったかといいますと、5年以上の経営業務の管理責任者としての経験の有無を判断するためのものだったのです。

※現在は、「許可を受けようとする建設業に関し」という要件はなくなっています。

経験ということは過去のことです。

この人の場合は、前の会社の非常勤の取締役であったわけです。ここで問題となったのは、非常勤の取締役経験が経営業務の管理責任者としての経験になるのかならないのかということでした。

 国土交通省、都道府県のうち8ヵ所に問い合わせをしたところ、非常勤の期間を認めているところと、一切非常勤の期間を認めないところとがありました。

 ある都道府県の回答で、非常勤を認めないところでは、「非常勤役員では経営に参画したとはいえない、建設業法で規定がないため、窓口担当課内で運用上取り扱っている」、「常勤性がないと経営に携わった役員として認めていない」、また、認めているところでは、「役員期間は登記簿謄本のみで確認するため常勤・非常勤を問わない」、「経営に携わるのは非常勤役員でも可能である」などでした。これらは、平成18年3月時点での回答ですので、その後変わっているところもあるかもしれません。

 他の都道府県では、非常勤を認めているところもあると反論しても、それぞれの団体での判断である、と担当者はおっしゃっていました。

 なるほど、法定受託事務となったので、各都道府県で自主的な運用をしているのだなということをあらためて実感しました。申請会社の方は、行政の公平性が損なわれている、と怒り心頭でした。

これが、今の日本の行政法規の運用の実態のようです。

しかし、国会で定められた法律です。日本国中どこであろうと同じ解釈、運用をされていないと本当に行政の公平性が損なわれますし、厳しい運用をされている地域の方は、許可を受けられるという権利を侵害されていることになるのではないでしょうか。権利を侵害する行政行為には、法律による行政が必要なのではないでしょうか。権利を侵害する行政判断をしているのに、窓口担当課の運用であるという考え方でよいのでしょうか。疑問を感じるところです。

 都道府県や市町村単位で異なる取扱をすべきであると思われる場合には、根拠となる法律において、地方公共団体の条例や規則で定めるなどと法定すべきではないでしょうか。実際に風営法などはそのようになっていると思います。

 本日は以上です。すべて私見です。誤りなどがありましたらご指摘ください。

 行政書士 白神英雄

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